『終末なにしてますか?(すかすか)』第12話 感想と総評 挿入歌やBGMもご紹介!

タチバナです最終回です!

通称”すかすか”で知られるTVアニメ「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?12話を視聴しました。
ネタバレあり感想総評を書いていますので、まだ未視聴な方は注意してくださいね。

いい最終回だった。
この最終回を見るために1話からずっと期待して見てきた。ずっとあの冒頭シーンに帰る物語を追いかけてきたんだ。
ここに至るまでの11話のストーリーに感慨に耽りながら見る冒頭のシーンは、切なくて胸にグッとくるものがあった。
あのBGMはずるいよ・・・。

とにかく、個人的に単純なハッピーエンドにならなくて良かった。
儚くダークな物語を最後まで貫いてくれて大満足。この儚さが見たかった。
愛は世界を救うスタイルにならなくて本当に良かった。

でも結局色々と設定が多すぎて捌ききれてなかったし、最終的にはやっぱり雰囲気で見るアニメだったと思う。

すかすか12話あらすじ
襲いかかるティメレの大群。応戦するネフレン、ラーントルク、ノフトたち。しかし、その圧倒的なティメレの数に徐々に追い込まれていく。ヴィレムもその傷ついた身体でティメレに立ち向かう!
「それでもきっと、あなたの存在はクトリにとって救いだったはずです」

前回の記事はこちら

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終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか? 12話「世界で一番幸せな女の子」感想


これヴィレム視点だと本当にただのバッドエンドだよね。
何も守れなかったと思い知って、戦うことしかできないと嘆いて自分へ失望する。ヴィレムが味わった喪失感と絶望感はただただダークで救いようがなかった。
これまで誰一人として幸せにできず自分だけ生き残った十字架を背負い続け、また守れなかったと彼の抱えた闇はキツすぎる。
その上、最後は守ろうとしていたものに守られる様を見せつけられて絶叫。このダークさたるや筆舌に尽くしがたい。

そして全部消えると言われても、このまま終われないと言ったクトリ。

ねえ、お願いがあるの。最後のお願い。

私、約束した気がするの。

あの人はもう戦わなくていいって。あの人の戦いは私が全部引き継ぐって。

伝えたい言葉もあるの。だからお願い。

どうしても。

このまま終わるのは、消えちゃうよりもっと嫌なんだ。

だからね、お願い。

もう一度、私をあの場所へ。

残ったヴィレムへの気持ちだけで運命に抗おうとするクトリの儚いこの姿。
これが見たかった。冒頭シーンへの準備がまさに整ったたまらなくグっとくるシーンだった。

そして流れる挿入歌「Always in my heart

哀調のあるメロディと切ないピアノの旋律から生み出される壮大な世界観のあるこの曲がたまらない。この挿入歌は本当にこのアニメの大事な演出を担っていたと思うし、素晴らしい音楽だった。

そこからのクトリのシーンは、BGMも相まって普通に泣けた。

ごめん、私もう絶対に幸せになんてなれないんだ。

だって、気づいちゃったから。

私、もうとっくに幸せだったんだって。

ずっと見たかったシーンの先が見れた。
だけど、やっぱり絶望的で救いようがなかった鬱展開。これぞすかすかだったと思う。
でもヴィレムはしっかり1人の女の子を幸せにしてあげられたってことなのかな。

戦うシーンで流れていた挿入歌「Scarborough Fair

調べたらこの曲は、イングランドの民謡みたいでその地域の人なら誰もが知っている曲みたいです。
日本の民謡でいうと、ソーラン節みたいな感じのタイプは違いますがそういった伝統の曲ですね。
内容は妖精と人間のやりとりを歌っているみたいです。ピッタリすかすかとマッチしてますね。(参考:スカボロー・フェア

空虚感漂う瞳で戦う姿に、幸福感漂う回想シーンが重なってて、凄まじい悲哀な物語を感じられた。
なんというか、すかすかに求めてた答えを、しっかり期待通りストレートに返してくれた感じ。
だから、細かいことは置いといて満足感がある。

アイセアの涙


個人的に、このアイセアの涙が一番泣けた。
気高く健気に生きてきた彼女が親友2人を失って見せる涙。

ごめんなさい、見ない振りお願いしてもいいっすか。
最年長がこんなんじゃ示しがつかないですから。

救えた命があったことで、完全なバッドエンドじゃなかったのもスッキリできて良かった。
というか、クトリが世界一幸せだと思って逝けたんだから、これはハッピーエンドになるのかな。
クトリの物語として綺麗にまとまったと思う。

最後の大賢者のシーンで水晶に何か反応してたけど、これは完全に蛇足だったと思う。
原作続いてるようだから仕方ないかもしれないけど、クトリの物語としてのアニメで締めておけば良かった。

最終回のエンディングテーマ曲は山田タマルさんの「Ever be my love

これもほんとに美しいバラードで、爽快感のある聞き入ってしまう素晴らしい楽曲でした。

今回使われた挿入歌やこのエンディング曲は7/21発売 終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか? オリジナルサウンドトラック「青い記憶」に収録される予定。
ちなみに歌っている山田タマルさんのブログはこちら→山田タマルOfficialBlog



すかすか 総評(原作は読んでません)

1話における物語の導入部分が本当に良かったと思う。
あの冒頭シーンで壮大な物語とダークなファンタジーの世界観が演出されていたし、グッと引き込まれたのは間違いない。
そしてそのシーンに少しずつ近づいているということをじわじわ感じさせてくれて、悲壮感や終末感をより感じられた。

だけど、どうしてもアニメ化の影響なのか視聴者が置いてけぼり感は最後まで拭えなかった。
設定が作り込まれているだけに奥が深い部分が多くて、それをしっかり描写しきれなかった感じ。
深い設定が宙ぶらりんなんだよね。だから、表面だけを感じ取る雰囲気アニメになってしまっていたと感じて仕方ない。

この作品のポテンシャルは確かにあるのに構成が雑というか見せ方が下手くそだったのは否めない。
おかげで本格的な影のあるファンタジーな内容が、ただのライトノベルファンタジー作品になっていたと思う。

上手くアニメ化できてなかったと感じる部分が多々あった。
実際、原作者がアニメの内容をツイッターで補足していたりしているのでまあそういうことだろう。


そしてこういった補足を公式がリツイートしているのも中々面白い。
描写が足りていませんでしたってのを公式が開き直って認めている。これはいけない。

それともう一つ、個人的に大いに不満な点は、ヴィレムの幼稚さ。
クトリの物語なのでクトリに入れ込まないといけないのはわかるけど、仮にも勇者だった彼がこんなに脆くて弱い精神で良かったのだろうか。傍目も気にせずクトリに執着する様は見ていてかなり醜態だったと思う。クトリとヴィレムの関係描写を深くやりたいのはわかるけど、単純にやりすぎて白けてしまっていた。それをするならもっとクトリに執着するに至るドラマの掘り下げをしてほしかった。
だから、ヴィレムに全然感情移入できなかったしヴィレムが最悪の最期を迎えてもなんとも思わなかった。
一番大切な2人の関係描写がこの”軽さ”では、やっぱり雰囲気アニメと言われても仕方ないと思う。

冒頭で感じた物語への期待が大きかった分、設定のハッタリ臭や描写不足で残念だったと言わざるえないのは、心苦しくもあるがこれが正直な感想だから致し方ない。
それでもクトリの物語として綺麗にまとめられていたと思うし、描かれていた悲劇は中々見応えがあった。

それなりに楽しめたと思う。

以上、「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?(すかすか)12話 感想と総評 挿入歌やBGMもご紹介!」でした。

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12件のコメント

当方も原作読んでません。が、
設定の説明不足はご指摘の通りアニメ化の影響かと。
原作既読の人は「視聴者が付いていけてるか心配」とどこかで語っていました。
また、ヴィレムが幼稚なのでは?というのは個人的には違うと思いました。
過去、リーリァを見送る事しかできなかった自分への後悔と、同じ剣を振るうクトリに彼女の面影を重ねてしまっていて、「今度こそ幸せにする」と誓っていたハズなのに失ってしまった・・・という絶望からの反動であのような行動に出てしまったのだと思います。

コメントと解説ありがとうございます!
最後まで見て自分で脳内補すればやっとそこまでわかるんですけど、でも個人的にはどうしてもアイセアやネフレンの前でみんな一緒に帰ってきてるのにクトリだけに抱きついたり、とにもかくにもクトリが一番っていう醜態が目についてしまったんですよね。
そのくせ変に気取るところがあったりして、人間味があるんだけど見ていて未熟だなあと思うところがあったんです。
簡単にいうと、悲劇のヒロインを演じてる気がしてならなかったんですよね。だから好きになれなかったし、感情移入できなかったんだと思います。
壮大な物語で勇者してるんだから、もっとカッコよくスマートに。っていう自分の願望だったかもしれません笑

達観してるけど(それだけ色んな辛いこと経験してるわけで)その実メンタルボロカス、それなのに頑張ろうとする所が、ヴィレムおとーさんの魅力だからなぁ。
そこがダメならダメよねって感じ。
自分もアニメから入った口だけど、逆にのそこが好きで原作読み出したタイプだから。

でも、雰囲気アニメとして楽しんでくれただけ御の字よ。

ただ、別に他のメンツを蔑ろにしてる訳じゃないので依怙贔屓って言われると、ちょっと違和感は覚えますねえ。
生死不明からの抱きつきのシーンも「おまえらぁぁあ!!(´;ω;`)」から、一番関係値が深かったクトリに縋りついてただけですし、アルミタ(金髪幼女)落下からのクトリ心配シーンも、使うだけで体が壊れる移動技使って助けに行ったら、クトリかもっと危ないことしだして心配しただけですし。

いや、意味としては間違ってないんだけど、それ言い始めたら恋愛モノって全部依怙贔屓なんじゃあないの?
とは。
ただタチバナさんは、他の目を気にしないで執着するのが引っかかってるみたいだから、そういう表現になったのかな?

と感想の感想でした。

ただ「幼稚」というのは、当たらずとも遠からずって感じなんですよ。
正確にはその逆で「成れの果て」なんです。
ヴィレムは成熟期をとっくに過ぎていて言わば腐ってる状態に近いんです。
果敢に挑んでいたのは正しく地上が亡びる直前で、アニメの時間だとくたびれて嫌々死なないでーって感じのボロクソメンタルになってます。

実際、ヒロインたちからは「キザに構えているけど放っておくと死ぬタイプ」とか言われるくらいですからね。そもそもキャラとしてかわいそ可愛いの分類なのかなって思います。

原作だとアニメ以上にこの辺りの「哀愁」が凄く出てるので、良さも伝わりやすいと思うんですけどね。残念です。
そもそも原作のヴィレムは割と最後までクトリを家族として愛してるので、アニメみたいな感じではないんですよ、これは僕も原作読んでビックリしたところです。

はい、言いたこと言っただけです。
お粗末さまでした。

 ヴィレムがクトリにだけ…というのは、実質戦っているのがクトリだけだからです。
 ネフレンもアイセアも、クトリが失敗したときのための予備としての運用がされていました。
 また、どんなに強いメンタルを持っていても、命に代えても守りたかった人や仲間、恩人が全員死亡(しかも自分は何もできなかった)したら、心に大きな傷を負います。逆にそうじゃないのは人間としてあり得ない。
 その上クトリは過去の人物たちと共通点がありすぎた。だから、彼は彼女を特に守りたいと考えるようになったのです。
 …というのが原作を(だいぶ前に)読んだ私の見解です。
 まぁ、説明不足になりがちだった、というのはわかります。原作組向けの物だったような…
 ネット上に流れている多くの疑問は、原作で詳しく説明されています(ヴィレムの過去や獣の正体も)。後悔はしないと思うので、全巻読んでみては?
…絶望しないかどうかは保証できませんが。

いくら500年生きてると言っても、ヴィレムは準勇者の頃は15歳で、作中でも18歳くらいですし
彼が抱えている絶望も考えると、そんなしっかりしろという方が無理じゃないかなぁと
彼は勇者にはなれなかった元準勇者で、誰も助けられたかった人生の敗残者なわけですから

話は少し代わってしまうのですが

ウ ン チ ー コ ン グ って知ってる?

スカボローフェア、アニメ挿入歌は歌詞がアレンジされてるけどまあそれはいい、
でもサントラに入れるのは通常の歌詞で入れて欲しかったよ…
スカボローフェアはかなりの人が歌ってて編曲も伴奏もいろいろだがなかなかグッとくるものは少ない
このアニメのスカボローフェアはかなり良い、それだけに歌詞を変えるなよ!
アニメは仕方ないにしても!サントラ版は普通の入れてくれ!

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