劇場版『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』感想/レビュー 圧倒的なクオリティに驚嘆!アニメの進歩を感じられた

どうもタチバナです。

ノゲノラゼロ”こと映画「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」を視聴してきました。
ネタバレあり感想/レビューを書いていますので、まだ未視聴の方は注意してください。

圧倒的な劇場版クオリティを見せてくれました。
というか事前情報も原作も何も知らないのでビックリしたんだけど、メッチャシリアス!
こんな終末感溢れる退廃した世界が舞台だったのかと驚きました。

TVアニメの雰囲気を求めて行くと面を喰らいますが、逆にタチバナはこういう悲壮感溢れる世界観大好きなので凄く良かったです。
内容もかなりダークだったし、こんなにも鬱要素で攻めてくるとは思ってもみなかった。

ノーゲーム・ノーライフゼロあらすじ(クリックorタップで表示)
それは一切の争いが禁じられ、全てがゲームで決まる《盤上の世界(ディス・ボード)》が創造されるはるか以前の出来事。世界を統べる唯一神の座をめぐり、終わりの見えない大戦が続いていた時代。天を裂き、地を割り、星さえも破壊し尽くさんとする凄惨な戦争は、戦う力を持たない人間たちに理不尽な死を撒き散らしていた。強大な力を持つ様々な種族に追いやられ、存亡の危機に瀕する人間を率いる若きリーダーの名はリク。一人でも多くの人間が明日を迎えるために心を砕き、擦り減らす日々が続くある日、リクは打ち捨てられた森霊種(エルフ)の都で機械仕掛けの少女・シュヴィと出会う。機械には持ち得ぬ心に興味を持ってしまったことでエラーを起こしてしまい、仲間たちから廃棄されてしまったシュヴィは、エラーを修正するため、リクに《人間の心》を教えてほしいと頼むのだが……。これは六千年以上もの昔に紡がれた《最も新しい神話》へと至る《最も古き神話》。記録にも記憶にも残らない、誰にも語られることのない物語が今、幕を開ける——。(出典:ノーゲーム・ノーライフゼロ公式サイト

スポンサーリンク

「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」ネタバレあり感想/レビュー


見終わって思ったのは、これは原作ファンのための映画だなということ。
逆に原作見てない人は細かい設定など分からない部分がどうしてもあったし、ちょっと置いていかれ気味だった気がする。

まず、関係描写のところだけどリクがシュヴィにプロポーズするところで「えっ」となった。
そんなに2人の仲深まってたっけ。もうちょっとこうお互いに愛情が芽生える描写とか描いて、プロポーズに至ったことに見てる側が納得する演出がほしかった。
一番大事な関係描写のところで置いていかれてしまったので、感情移入することができなかったんだよね。
だから、シュヴィが人間っぽい感情を出す感動的なシーンだったのにグッとくることはなかった。

一番謎なのが最後にリクが聖杯を手にできなくて、その引き分けの状況だったのにテトは聖杯をかっさらえた上で神なれたこと。
悲壮感溢れててバッドエンドっぽくて良かったんだけど、おいしいところだけテトが持っていったみたいな感じ。
あまり意味がわからなかった。

しかしそれらを差っ引いても素晴らしい出来だったと思う。
手抜き一切なしの作画の映像美や、壮観でインパクトのあるシーンは見応え抜群だった。
戦闘シーンも圧巻の迫力だったし、鬼気迫る絶望的な状況は臨場感があって最高だった。
作画に関してはまず文句はでないでしょう。

音楽も重低音が効いていて迫力があったし、スリルのある演出を盛り上げてくれていた。
劇場で見るに値する作画、演出、音響だったと感じる。

ストーリーはTVアニメ版と違い、ゲームでの駆け引きを楽しむタイプではない分ハラハラドキドキは少なめ。
知略戦略を楽しんで見ていた層で、各登場キャラがドタバタしながら勝負に勝っていくストーリーを求めていくと楽しめないかもしれない。
これまで通りの「みんななかよく」な世界が見れるわけではないし、ガッツリ殺し合いや鬱要素満載の絶望する狂気世界の描写なので、ほんわかしたマイルドな作風が見たかった人にはハズレと感じるところもありそう。

ただ、TVアニメ版の世界がどういった経緯で成立したのか、そのバックグラウンドを語る内容なのでノゲノラファンとしては見るに値するものだったと思うし、見応えは十分だったと個人的には感じる。

「愛」というのをテーマにしている分感情に訴えかけてきて胸にくる内容でした。
人が人を想い、人が人に想われる。そんな全体的に人間賛歌なところがありつつリクとシュヴィの物語として上手くまとまっていたと思う。
キャッチコピーの「願ったのは、共に生きること──。」というのが見終わったあとにずっしりとくる。

捉え方にもよるけど、個人的にはバッドエンドではなくビターエンドってところですかね。
リクとシュヴィの意識はなくなっているからハッピーエンドではないと思う。

最後にリクとシュヴィ、そしてコローネの名前が刻まれた宝石をドーラが持っていた演出に、素晴らしいカタルシスを感じられた。
記録にも記憶にも残らなかったけど、たしかに彼らは存在し世界を変えた証拠があったことを感じさせてくれた。

そして、エンディングの演出も秀逸だった。
リクとシュヴィの想いが詰まった指輪が、どこにも残らない場所に落ちていき消え去っていくシーン。
物語をなぞったグッとくる演出だったと思います。

ノゲノラゼロ 総評

しっかりと劇場版のレベルの高いクオリティに仕上がっていて相当な見応えがありました。
ノゲノラファンとして十分に楽しめる内容だったし、グッとくる場面も多く、泣ける映画だったと思います。

ただ、物語の理解に対する敷居は高いので、原作を読んでいないと全開に楽しめない印象。
原作を知っていると補完できたりするところがあったのではないでしょうか。

それでも大まかには理解できるし、物語の筋も無茶苦茶なことはなく、展開の緩急も相まって素晴らしかった。
特筆すべきはやっぱり、戦闘シーンの作画と演出ですね。これには近年のアニメの質のレベルアップを感じずにはいられなかった。
進歩していってるアニメクオリティを目の当たりにできた感じ。

声優さんもさすが有名どころが揃っているだけあって、演技については申し分なし。
やっぱりこれがプロの仕事だよ。スタジオポノックも見習ってほしい。

劇場に足を運ぶに値する作品だった。
TVアニメ版の2期も匂わすような最後だったし、ノゲノラの今後にも期待です。

ちなみに、この劇場版の内容は原作ラノトノベルの6巻に当たる内容だそうです。
アマゾンのカスタマーレビューを見ても凄まじい評価の高さですね。

以上、「ノーゲーム・ノーラーフ ゼロ 感想/レビュー」でした。

スポンサーリンク




1件のコメント

そこら辺の疑問はやはり原作6巻を是非読んでくれ!としか言えないのが惜しいですね
映画版はやはり尺の都合で大幅にカットされている他声優さんの演技でカバーされてはいるものの地の文や心理描写等は映像では表現出来ませんから…
最後にテトが出てきた事も原作を読めば必ず感動出来ると思います

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です