「チェンソーマン」感想/評価 ドライなキャラ達が最高に良い!出し惜しみのないテンポ感!

タチバナ

悪魔との戦いを描くダークファンタジーアニメ「チェンソーマン」を全話視聴しました。ネタバレありで感想/評価を書いていますので、未視聴の方は注意してください。

人間vs悪魔の新時代アニメ!デンジがどう強くなるのか続きが見たい!

チェンソーマンは原作が大ヒット中でとても期待される中放送を迎えましたが、その期待に負けない最高のアニメだったと思います。

迫力のある戦闘シーンと映像美、個性的なキャラ毎回変わるエンディングソングなど、良さを語ると軽く1時間は超えてしまう素晴らしい出来栄えでした。ジャンプであれだけ人気を博していた作品なだけに、MAPPAの本気っぷりが十二分に発揮された作品だったと思います。

特に1話の出来がホントに良くてめちゃくちゃ世界観に惹き込まれました。それ以降も毎週ワクワクが止まらない内容とクオリティ。では、ここから先はネタバレに入ります。

目次

チェンソーマン 感想

(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA

チェンソーマンは借金を抱え、デビルハンターとして働いていた貧乏少年・デンジが悪魔の相棒・ポチタから心臓を貰い、公安に入って悪魔を次々と殺していく物語です。

作品のテーマ・ストーリーはTHE王道。主人公のデンジが次々と様々な悪魔を殺していく展開は見応えあります。その上、細かな謎や予想を裏切る展開が次々と続くので、見ていて飽きることがありませんでした。こんなにもハラハラしっぱなしでアニメを見たのも久しぶりな気がします。

ざっと良かったところを挙げると、悪魔の設定・デンジのキャラ・デンジが狙われる謎・王道の展開など。他にも、チェンソーマンの魅力はたくさんありますが、挙げ出したらキリがないので、今回は特に良かったところをピックアップします。

悪魔の設定

(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA

チェンソーマンがここまで続きが気になる作品になった最大の要素は「悪魔の設定」だと思います。ゾンビの悪魔・永遠の悪魔・幽霊の悪魔・ヒルの悪魔・呪いの悪魔・刀の悪魔・銃の悪魔など全12話の中で次々と様々な悪魔が登場しました。

悪魔の設定がとても秀逸ですよね。
人間が特定の物や存在、概念などに恐怖を抱く事で誕生する怪物であり、悪魔は人間が恐れるものほど強力になる。

特殊能力を持ちながら、人間に有効的なのもいれば、契約するものもいて、そしてもちろん人間に害をなす悪魔もいる。

特に契約する悪魔の存在が面白いと思うんですよね。
悪魔に能力をもらう代わりに、代償として何かを差し出すというダーティーなもの。これにより悲壮感であったり、切迫感が生まれ奥深さがやバックボーンに深みが出ていたと思います。

全12話の中で刀の悪魔と銃の悪魔が強力な悪魔とされていましたが、今後どんな悪魔が登場するのか楽しみです。

デンジのキャラ

(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA

少年ジャンプの主人公って「ワンピース」のルフィや「NARUTO」のナルト、「鬼滅の刃」の炭治郎みたいな誰もが応援したくなるような性格が多いですが、チェンソーマンは全く違いますね。

こんなにまともじゃなくてダウナーな主人公は中々いなかったと思います。マキマに拾われるまでは地を這う生活をしていたこともあってか、人並みの生活を送り続けることを目標にしているとか、これがジャンプの主人公って凄いことじゃないですか。

マキマやパワーの胸を揉みたいなど邪な考えもありながら、なんというか変に無理矢理な目的を押し付けられるのよりは好感が持てるんですよね。

(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA

「海賊王になる」とか「火影になる」とかそんな大きな夢もなく、パンにジャムを塗って食べられる人並みの生活をすることだけが望み。その望みが話数を重ねても全然ぶれない芯の強さがデンジの魅力であり、かなりズレてはいるけど、ある意味純粋なんです。

自分も強くなって状況も変わっていく中でも、変わらないデンジだからこそ、ズレまくった一面があっても嫌いになれない。「マキマの胸を揉む目標」のために死ぬほど頑張れる斬新な主人公ってのが、このアニメの大きな魅力だと思います。

デンジが狙われる謎

(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA

チェンソーマンって、ストーリーは割とシンプルですがちゃんと謎を残した作品ですよね。

ストーリー自体はデンジが次々登場する悪魔を殺していく王道ものですが、ここに「デンジの正体」という謎がスパイスとして加わることで、一気に謎めいた作品に仕上がっています。

6話で登場した永遠の悪魔や、9話で登場した沢渡とサムライソードはデンジの心臓を狙っていました。「どうしてデンジは狙われているのか」「デンジではなくポチタの心臓が狙いなのか」全12話では明かされませんでした。

ただマキマのセリフやポチタのセリフからも、ある程度デンジが狙われる理由が考えられるので、1回だけじゃなくて何回も視聴してその謎に迫れるのもチェンソーマンの優れているところ。デンジが狙われる謎がこれからはっきりと分かるであろう2期の放送が楽しみです。

テンポの良さ

(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA

チェンソーマンは全12話の放送でしたが12話以上放送しているような体感速度でした。

その理由はテンポの良さです。1話から12話まで中弛みすることなく、駆け抜けた印象があります。要因の一つとして、キャラクターの行動原理は単純で無駄が無い点。

主人公には明確な目的があるので問題なく話が進むし、ウジウジした主人公が悩みながらも成長していく様な話が一向に進まないといったダルさが本作には無かった。前置きが短く出し惜しみをしないっていう感じ。

それともう一つはキャラが次々死ぬこと。こんなにキャラが次々と死んでいくアニメもそうないですよね。しかも、メインキャラ…。

一緒に任務を遂行して、新人歓迎会を楽しんだ面々が9話で次々と死ぬ展開はびっくりでした。

タチバナ

特に姫野!

(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA
(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA

アキに恋心を抱いてデンジと同盟を組むキャラって、間違いなくメインキャラでしたし、めちゃくちゃ良いキャラだったのに、あんなにあっけなく・・・。
え、まじで死んだの?と続きが気になって仕方ありませんでした。

もっと活躍を見たい気持ちもありましたが、姫野を始め次々とキャラが死亡したことで展開が早く感じたのは間違いありません。2期では誰が死んでいくのか今から気になります。

パワーというキャラクター

(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA

パワーのノリの良さや自由奔放さが鬱々としたこのアニメの中での唯一の清涼剤とも言える役割を担っていたと思うんです。

可愛い女性キャラクターが一人称は”ワシ”で、相手のことは”ウヌ”と呼ぶギャップが面白いし、虚言癖であったり、トイレ流さないとか風呂はたまにしか入らないとか、見た目との裏腹さが良いんですよね。

なんでも、作者の藤本タツキ氏が書いていて一番楽しいキャラクターはパワーと話したとのことで納得ですね。

マキマの声優さんである楠木ともりさん

個人的にはマキマさんの声優さんが神がかってると思ってます。
この方以上にマキマの魅力を引き出せる人はいるのかと思うくらいバッチリハマってると感じるし、母性を感じさせる優しさとエロさも同時に感じさせる演技力は素晴らしいとしか言いようがない。

この楠木ともりさんはなんとまだ年齢も22歳とのことで、いやはやアッパレですね。

主な出演
  • アマニエール 舘島虎徹役
  • 精霊幻想記 ラティーファ役
  • デカダンス ナツメ役
  • 不滅のあなたへ ヒサメ役

2期もしくは劇場版が決定視されている理由

(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA

1期12話だけで大きな話題になったチェンソーマン。2期や劇場版が放送される可能性はめちゃめちゃ高いと思います。もちろん、その根拠もありますので幾つか紹介していきます。

12話(最終話)の終わり方

(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA

12話はサムライソードとの激戦が終了し、デンジたちがスーパーで買い物して食事を楽しむシーンで終わりかと思いきや、その後謎の女性がデンジの名前を口にして幕を閉じています。

デンジ君はさ、田舎のネズミと都会のネズミ、どっちがいい?

デンジのことを知っていながら、この謎の問いかけ。謎すぎる。。。

これだけ力を入れた作品であり話題になっただけに、続きがアニメ化されないわけないでしょう。

原作が大大ヒット中

チェンソーマンは原作が大大ヒット中です。電子コミックス含め累計発行部数は1,600万部を超えています。最近のジャンプ作品の中では「鬼滅の刃」「呪術廻戦」に次ぐ人気ですので、アニメがここで終わるとは考えられません。

現に、鬼滅の刃も呪術廻戦もアニメが継続されていますし、なんなら劇場版も制作されました。チェンソーマンも同じルートを辿る可能性は十分あります。

アニメでは、原作5巻38話までアニメ化されました。

メディアミックスを展開

チェンソーマンはメディアミックスを展開しています。

例えば舞台。12話の放送が終了した翌日、チェンソーマンは舞台化することが発表されました。この作風をどう舞台にするのか気になる点はありますが、アニメの枠を超えて世に出るのにアニメがここで終了するとは考えにくいですね。

「僕のヒーローアカデミア」や「呪術廻戦」も舞台化されていますが、後にアニメの続編が公開されています(呪術廻戦は23年7月放送)。ですので、過去作品でメディアミックスされると続編が放送される流れを考えると、チェンソーマンも2期の放送は決定していると言えます。

それに、アニメ放送中も各企業とコラボもしていましたので、こんな話題性のある作品をこのまま終わりにするとは思えないですね。

唯一気になった点を挙げるなら…

チェンソーマンの満足度を点数にするならば、90点!

内容・ストーリー・映像美などほとんどの要素が最高の仕上がりでしたが、唯一気になった点があります。不必要かもしれませんが、念のために紹介します。

エンディング

(C) 藤本タツキ/集英社・MAPPA

かなりお金をかけて話題を呼びましたが、正直毎話エンディングが変わるのは良くないんじゃないかと思った。チェンソーマンの観終わりはこの音楽ってのが定着しないし、これは悪手な気がするんですよね。販促的にもそうだし、記憶に残らないんですよね。

タチバナ

どれも1回で終わってしまうのって、普通に勿体なくない?

正直言って、印象に残る良曲が1曲あれば充分だと思うんです。
なんというか贅沢な文句だなぁと思いますし、こんな文句言ってたらバチがあたりそうですが笑

抑制されたグロさ

唯一気になった点は「グロさがかなり抑えられている」ことです。血は飛び散りまくるけど言う程グロく感じないんですよね。見ていて痛々しく無い。

少年少女でも楽しめるようにグロさを抑制したんだと思いますが、やっぱり物足りなかったです。悪魔が無茶苦茶するんだから、もっと悲惨な光景やえげつないの欲しかったですね。

タチバナ

ただ、ゲロチューは最高に良かったです!

あのゲロチューシーンが頭に焼き付いて、想像するとこっちまで嗚咽しそうになるくらい気持ち悪かったです。

総評

原作未読な者としては、やっぱりこれからのストーリーの内容には期待しかない。
世界観や設定も面白いし、キャラの魅力も十分。アクションシーンもカッコよく描かれていたし魅せる演出も良かったと思う。これだけの原作なので相当お金も力もかけてるわけだし、覇権確定とまで言われていた作品が面白くないわけなかった。

そんなチェンソーマンをあえて一言で言うなら、クール&ドライ。

ポンポンと人が死に、サクサクと物語が進む。押しつけがましいメッセージ性や主張をあざ笑うかのようにデンジが自由奔放に鬱々とした世界をチェンソーでぶった斬っていく。

爽快感もありつつミステリー色もある。

いやはや、続きを早く見たいと強く思える傑作ではないでしょうか。
続報を楽しみに待ちたいと思います。

以上、チェンソーマンの感想/評価でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です