どうもタチバナです。
今回ご紹介するのは、2012年4月~9月にかけて放送されたTVアニメ「氷菓」です。
京都アニメーション作品の一つで、シリーズ累計発行部数230万部を突破している米澤穂信さんの推理小説『古典部シリーズ』の「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」「連峰は晴れているか」「遠まわりする雛」が原作です。それを時系列に合わせてアニメ化したものがTVアニメ氷菓となっています。タイトルの由来は一作目の「氷菓」から付けらています。
推理モノということで少し身構えがちですが、原作をかなりマイルドに仕上げているので肩の力を抜いて視聴できる色んな人におすすめしたい素敵なアニメです。
目次
氷菓ってどんなアニメ?
「青春は、やさしいだけじゃない。痛い、だけじゃない。ほろ苦い青春群劇―――。」
省エネを信条とする高校一年生、折木奉太郎は、ひょんなことから廃部寸前のクラブ「古典部」に入部することに。
「古典部」で出会った好奇心旺盛なヒロイン、千反田える。
中学からの腐れ縁、伊原摩耶花と福部里志。
彼ら4人が神山高校を舞台に、数々の事件を推理していく青春学園ミステリ。
「わたし、気になります!」
奉太郎の安穏とした灰色の高校生活は、この一言で一変してしまった!!(引用:氷菓公式アニメサイト)
本作は、全22話+OVA1話で構成されている2クールアニメで、文化系部活動が活発なことで有名な進学校「神山高校」で、主人公・折木奉太郎の周りで起こる疑問を解決する、人が死なない青春学園ミステリー。
古典部員の設定・性格は、アーサー・コナン・ドイルの「シャーロックホームズシリーズ」に例えて作られており、ホームズ(探偵役)を奉太郎、依頼人をヒロインえる、ワトスン(探偵の助手)を里志、レストレード(警官)を摩耶花に当てはめられています。
TVアニメは原作を大筋においては踏襲していますが、古典部の部室の場所など原作から変更されている部分も多々存在。最も大きな変更点として挙げられるのは時代設定で、原作は2000年ですが、アニメでは放送年と同じ2012年に設定変更されています。それに伴い、作中で出てくる登場人物も合わせて年齢が変更されていたりしています。
キャラクター&声優紹介
折木奉太郎(おれき ほうたろう)
本作の主人公。やらなくてもいいことならばやらないという省エネを信条とする高校一年生。あることをきっかけに「古典部」に入部することになる。
CV:中村悠一
正統派主人公や爽やかな好青年から、ヘタレ、ぶっきらぼうな青年、艶のあるor気狂い染みた悪役、ハードボイルド、果ては男の娘まで違和感なくこなす多彩な声質が特徴の人気男性声優。「CLANNAD-クラナド-」の岡崎朋也役や、「マクロスF」の早乙女アルト役、「終わりのセラフ」の一瀬グレン役、「DIVE!!」の沖津飛沫役などがある。
福部里志(ふくべ さとし)
興味があることしかやらない主義の自称データベースを自認する。幸太郎とは中学からの級友。幸太郎につられて「古典部」に入部することになる。
CV:阪口大助
ガンダムに憧れて声優を志し、ほぼデビュー作でガンダムシリーズ「機動戦士Vガンダム」の主役ウッソ・エヴィン役をを射止めた凄い人。「あたしンち」の立花ユズヒコ役や、「銀魂」の志村新八役、「BACCANO! -バッカーノ!-」のジャグジー・スプロット役、「血界戦線」のレオナルド・ウォッチ役などがある。
千反田える(ちたんだ える)
本作のヒロイン。里志が言う桁上りの四名家の一つ豪農千反田家の一人娘。あるものを見つけるために「古典部」に入部した。
CV:佐藤聡美
苗字の佐藤と砂糖(シュガー)を掛けて、「しゅがぁ」、「しゅが美」といった愛称で呼ばれている人気女性声優。「けいおん!」の田井中律役や、「FAIRY TAIL」のウェンディ・マーベル役、「魔法科高校の劣等生」の柴田美月役、「ご注文はうさぎですか?」の宇治松千夜役などがある。
伊原摩耶花(いばら まやか)
幸太郎とは小学校1年生から中学を卒業するまで同じクラスだったいわば腐れ縁の仲。里志に好意を寄せている。それがきっかけで「古典部」に入部することになる。
CV:茅野愛衣
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の本間芽衣子役で高い評価を受け、声・容姿・性格・経歴、いずれもが『癒す』という言葉が当てはまる癒し系人気女性声優。 「凪のあすから」の比良平ちさき役や、「ノーゲーム・ノーライフ」の白役、「冴えない彼女の育てかた」の霞ヶ丘詩羽役、「宝石の国」のダイヤモンド役をなどがある。
魅力や見所
安定の作画
最初から最後まで作画が素晴らしく、数あるアニメの中でも最高レベルの映像美です。特に背景描写がとにかく綺麗で、学園に咲く桜などが美しくて見惚れてしまいます。ぐっと引き込まれる画面づくりになっていました。
キャラの作画ももちろん申し分なく、思春期男女の感情の微妙な揺れが非常に丁寧に描写されています。オープニングやエンディングも含め、もはやパーフェクトといって差し支えないレベル。流石京アニとしか言いようがありませんでした。
演出
ただただ美しい映像はもちろん、演出にも素晴らしいものがありました。
原作の小説は、行間を読む理解力が必要になってきますが言葉だけだと結構分かりにくい部分もあります。アニメでは、そういった部分に分かりやすく補足映像だったりが演出されているので、原作未読の視聴者でもストーリーや設定がすんなり入ってきやすい作りになっています。
こういった繊細で丁寧な作りが、アニメ「氷菓」の魅力でもあると思います。
音楽
作中では、ベートーベンの「月光」や、バッハの「G線上のアリア」など有名なクラシック曲が随所に使用されています。これが”日常の謎”をテーマとしたこの作品のイメージと絶妙にマッチしていると感じました。
特に、作中で多用されているフォーレの「シチリアーノ」は、この作品のために作られたのではないかと錯覚するレベルで抜群に合っていました。
日常の謎をテーマにしたミステリー
氷菓は、難しい本格的なミステリー作品ではなく、”日常の謎”を解き明かすことがコンセプトになります。推理に必要な謎や伏線はすべて作中で描写されているので、ミステリーの醍醐味でもある「考えて謎解きしながら視聴する」という楽しみ方ができるようになっています。謎解きの難易度もライトなものなので、誰でも引っかかる部分を感じながら視聴できると思います。
そして、推理アニメといえば「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」を思い浮かべますが、氷菓とそれらが決定的に違うのは誰も死なないという点です。あくまでも、高校を舞台にした日常ミステリーということです。
凶悪事件や殺人事件のような一般的なミステリー作品と違い、ありふれた日常の些細な出来事を描くので、それを面白く魅せる工夫が施されたこの作品は凄いと思います。
オマージュ要素
登場人物をアーサー・コナン・ドイルの「シャーロックホームズシリーズ」のキャラクターに例えていたりなど、氷菓にはミステリー作品のオマージュ要素が随所に散りばめられています。
ネタバレになってしまうので書けませんが、アガサ・クリスティの「ABC殺人事件」の法則性が利用されていたり、アントニー・バークリーの「毒入りチョコレート事件」を彷彿とさせたり、作中で出てくる小説が推理小説などからのオマージュになっていたりと、推理小説好きなら楽しむポイントがたくさんあります。
「私、気になります!」
このアニメの代名詞とも言えるくらい有名な、ヒロインえるの口癖。
普段は穏やかな彼女ですが、その実はかなり好奇心の強い性格の持ち主で、納得のいかないことや興味を引かれることに出会えば好奇心の権化と化し「私、気になります」という決まり文句を言います。この一言がキャラの可愛さも相まってなかなか癖になってきます。
メインヒロインの可愛さは、この作品の非常に重要な要素であります。
氷菓を見るには
動画配信サービスを利用するのがおすすめです。
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(※2018年7月15日現在の情報です。)
アニメを見るなら一番におすすめできるのはdアニメストアでしょう。下記記事にて比較などをしていますのでよければ参考にしてください。
・「dアニメストア」魅力的な10のポイントとダメなところを感想交えて語ります!
まとめ
アニメではお約束の波乱の展開や盛り上がりには欠ける作品ですが、その分繊細に穏やかに謎解きを楽しむ作風になっているので静かに物語を楽しみたい人には打って付けのアニメだと思います。
人気小説が原作となっているので、推理モノとしてのクオリティも申し分なく、一度視聴した方も、謎を理解した上でもう一度見ると細かい描写や音楽をより楽しめるのでおすすめです。
素晴らしい作画と米澤穂信先生による練りに練られた驚愕の謎にあなたはきっと取り込まれるでしょう。
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